チーム芹澤のメンバーで有名なのはやはり2012年賞金王の藤田寛之プロです。
男子トーナメントで師匠と練習ラウンドできるのは、4月後半開催の「中日クラウンズ」で、芹澤プロも招待選手として毎年参加しています。
そして、藤田、宮本、上井の各プロが集まることができる貴重な試合です。
師匠の芹澤プロは後輩であり弟子たちのスイングチェックをし弟子たちも常に新しい発見をしています。
私も時々帯同し師匠と弟子の関係を垣間見ながらこの関係の素晴らしさを感じています。
さて、弟子の藤田、宮本、上井そして女子の木戸の各プロのスイングを芹澤師匠に解説してもらいましょう。
Contents
芹澤信雄のゴルフレッスン。弟子たちのスイング。
レベルスイングは、腰の水平回転をベースにした、左右対称のスイングです。
藤田寛之のレベルスイング
トップからダウンスイングの頭の位置(ビハインド・ザ・ボール)に注目して下さい。
十人十色という言葉どおり、ゴルフスイングもゴルファーが10人いれば10通りのスイングが存在します。
同じチーム芹澤のメンバーでも、芹澤プロと藤田プロのスイングは一見しただけでは違うスイングに見えます。
しかし、まったく異なるのではなく、チーム芹澤のメンバーはレベルスイングのメソッドに則り、ダウンスイングでの右腰から左腰までのスイングにおいては、右腰を水平回転させてボールを捕えているのです。
テークバックのスタイルやフィニッシュフォームが独特な藤田寛之プロも同じです。
藤田寛之のドライバースイング
師匠の芹澤信雄プロとは異なり、バックスイングで手首を曲げる動作のコッキングが遅めで、フィニッシュでシャフトが地面と平行に収まる独特のスイングをしているのが藤田寛之プロです。
まったく異なるスイングのように見えますが、実際はダウンスイングからフォロースルーに掛けては芹澤師匠と同じく、腰を水平回転させてスイングしているのです。
クラブが腰の高さに到達するバックスイング、フォロースルーではそれぞれ左腕、右腕がしっかり伸びていることで左右対称のスイングを実現させている点も見逃せません。
トップからダウンスイングに入るときのビハインド・ザ・ボールは絶対に真似すべきポイントです。
そのためには毎日のビュンビュン素振りを忘れずに行いましょう。ヘッドスピードが上がりますよ。
藤田寛之プロのドライバーショット 後方
腰の回転がクラブを押し込む
アドレス時の背筋の角度が、インパクト直後まで変わりません。
スイング軸となる背骨を中心にして肩が水平回転している=バックスイングとダウンスイングで左肩と右肩が見事なほどに入れ替わっているのが、その証です。
トップスイングからダウンスイングへ切り返し、クラブが右腰高さに下して来てからは、クラブヘッドを押し込むように右腰をターンさせている動作が見て取れます。
この動作がインパクトエリアでクラブヘッドをレベルに走らせられる秘訣であり、ミート率を飛躍的に高めるレベルスイングの核でもあるのです。
まさにお手本です。
ゴルファーの多くは、テークバックからトップにかけて軸が左に傾き、右サイド空間ができてしまいます。
ダウンスイングではその右サイトにできた空間にヘッドが下りてくることで、ギッタンバッコンのスイングになってしまいます。
これではヘッドスピードは上がりません。
ヘッドスピードを上げるには毎日のビュンビュン素振りを行って下さい。
宮本勝昌のダウンスイング。左腰の回転から切り返しをスタート
右股関節に体重がしっかり乗っていることで、ダウンスイングへの切り返しはスムーズに行われます。
左腰の回転からスタートさせ、それから右腰を目標方向へ押し込むように水平回転させていきます。
右腰の水平回転に連動して右足かかとを上げていくことでボディーターンが円滑に行われます。
宮本勝昌プロのスイングはレベルスイングのまさにお手本です。
この右足かかとの上がり方が早かったり遅かったりすると、右腰が浮き上がったり沈み込んだりするので注意してください。
宮本プロのように左腰の回転で体重を左股関節に移し、腰を水平回転させる感覚を重視しましょう。
宮本プロはツアー界でも屈指の飛ばし屋として知られていますが、これらの動作を忠実に行っていることもスバ抜けた飛距離を生み出している理由の一つにもなっているのです。
上井邦裕プロのスイング。右腕が真っ直ぐ伸びるアームローテーション。
バックスイングで右腰の高さにクラブが到達する際、左腕が真っ直ぐ伸びる。
それと同じようにスイングは左右対称が基本ですからフォロースルーではクラブが左腰に達した際に右腕が伸びた状態になることで左右対称のアームローテーションを上井邦裕プロは実現させています。
だから飛ぶ、曲がらないショットが放てるのです。
左股関節に体重を移動させて腰を水平回転させることで遠心力は高まり、右腕を伸ばしやすくなる。
でんでん太鼓のように回転が早まれば早まるほど、糸(腕)は伸びて行きます。
そのイメージを持つことで左右対称のスイング、オンプレーンが完成に近づくのです。
ダウンスイングで右肩が突っ込むフォームでは、左肘が後方に引かない限り、インパクトを迎えられず、フォロースルーで右腕を伸ばし切ることができません。
左右対称のスイングを実現するためにも、ダウンスイング以降、ドアを開けるように右腰を水平回転させることが正しいアームローテーションをもたらすことを理解してください。
木戸愛プロのレベルスイング。上下動を抑えて体の捻転でクラブを上げる。
2015年にチーム芹澤のメンバーに加わった木戸愛プロ。
加入当初、スイングの全体の流れ自体は良かったものの、「弾道が安定しない」という悩みを抱えていました。
そんな木戸プロのスイングをひと目見て、芹澤プロはテークバックでの上下動を抑えることと、手だけでなく体の捻転でクラブを上げて、下ろしてくることを指摘したのです。
木戸プロは身長が高いために目線がボールと離れているので、どうしても手打ちになりがちでした。
手打ちになるとクラブが外から下りてきてしまい、いろいろなミスが出てしまいます。
右腰の高さまではノーコックで、そこからは体の捻転でクラブを上げていく。
ダウンスイングは腰から始動してレベルに回転させ。ビハインド・ザ・ボールでインパクトを迎える。
ここでもレベルスイングの基本がやはり有効でした。
木戸プロが特別な結果を出す日もそう遠いことではないでしょう。
芹澤信雄のゴルフレッスン。弟子たちのスイングまとめ
プロゴルファーは毎日スイングチェックをしています。そのチェックはレベルスイングが出来ているか否かです。
スイングがきれいで美しいく躍動感がある。そんなスイングを作るのがレベルスイングの追求なのです。
重いボールで体幹を鍛え、トルネードを使って重心やスイングの癖を感じてチェックしてください。
知識はあなたのレベルを必ず数段階アップさせる薬です。