アイアンはグリーンへボールを「運ぶ」クラブです。ですので、「飛ばす、飛距離を稼ぐ」働きをするドライバーよりは自分の番手とその距離を知っておくことが重要になります。
Contents
芹澤信雄のスイング。アイアンの性能とスイング。
アイアンの性能
最新アイアンは、スタンダードのロフトよりも1番手ほどロフトが立った(少ない)ストロングロフトが多く、バックフェースは大きく凹んだディープキャビティやポケット形状のポケットキャビティデザインが好まれています。
さらには、ソール幅の広いヘッド形状が主流で、打ち込まなくても、多少ダフってもボールがつかまり、上がる「やさしいヘッド」が最新アイアンの特徴です。
これを理解したなら、スイングにも好影響を与えます。
スタンス中央からほんの少し左足寄りにボールをセットし、左右の足に5分5分の体重配分、ややハンドファーストで構え、目標方向に対して背中を向けるイメージで左肩がアゴの下に到達する程度のバックスイングをします。
ダウンスイングではイメージしたスイングプレーンに沿ってクラブを下ろし、トップ・オブ・スイングの左肩位置に右肩が入れ替わるフィニッシュフォームを迎えるように振り切りましょう。
ミドルアイアンは「6I、7I、8I」
↓↓スイートエリアが広くなっている↓↓
↓↓ポケットキャビティで反発力もアップ↓↓
↓↓適度なソール幅でボールを拾ってくれる。↓↓
↓↓ストロングロフトになって飛距離も伸びている↓↓
ラフからのアイアンショット
ライの見極めが最も重要です。フライヤーやドロップ現象が起こりそうかをチェックして下さい。
ラフからのショットでは、グリーンまでの残り距離ではなく、ボールのライの状況によってクラブを選択しましょう。
ボールが芝草の中に沈んでいるほどロフトの多い番手を選び、芝草の中から確実に打ち出せることを最優先させるのです。
インパクトでボールとフェースの間に芝草が介在しやすいため、ボールにバックスピンがかかりにくくなり、フライヤーやドロップ現象が起こりやすくなることも理解しておきましょう。
ボールのライは、3つに大別しました。
(①手前)芝草に浮いている。
(②真ん中)少し浮いている。
(③奥)深く沈んでいる。
①はいつも通り打てますが、②ではフライヤーになりやすいため、番手を下げてボール手前の芝草を切って打ち出すようにします。
③ではロフトが多い番手ほど芝草を切って打てるので、ショートアイアンでラフから脱出させることを最優先にしましょう。
上級テクニックとして4UTのフェースを開き、ヘッドを上から打ち込む方法もありますが、まずは手堅い打ち出し法を選択してください。
傾斜からのアイアンスイング
左足上がり・下がり、つま先上がり・下がりのライは傾斜に沿って構えましょう。
スイングも飛距離も70%に抑えてショットします。練習場の打席とは異なり、コースではフラットなライからショットできることはほとんどありません。
左足上がりや下がり、つま先上がりや下がり、時にはこれらが複合したライからのショットを強いられることすらあります。
この代表的な4つのライからのショットでは、地球ではなく傾斜に対して体のラインが平行になるように構えるのが基本です。
いずれも体のバランスが崩れやすい状況ですから、70%のレベルスイングで飛距離も70%に抑えるようにしてください。
傾斜によってロフトが増えたり減ったりする。それを考慮してクラブを選択することも忘れないでください。
アイアンの選び方
アイアン選びは、ネックとソールをチェックして下さい。芹澤プロも、決して難しいクラブを使っていません。
道具の進化に対応する柔軟性も上達には必要だという言葉通り、厚めのトップライン、少しグースのついたネックのモデルを愛用しています。
アイアンショットにそれほど神経を使いたくないという意思が表れているのです。
アイアン選びのポイント
ポイント1 「ネック形状」
ボールのつかまりを左右するのが、ネック形状。ボールを包み込むような程良いグースネックタイプが市場には多いですが、自分のスイングタイプと照らし合わせて、ちょうど良いグース度合いを見つけてみましょう!
ポイント2 「ソール形状」
地面から打つクラブなので、同じアイアンでもソール形状によってはまったく異なるクラブになってしまいます。それだけソール形状は重要な要素なのです。
インパクトでのヘッドの抜けの感じが自分にはどのタイプがしっくりくるのか?いろいろ試してみるのも良いでしょう。
《ショートアイアンで果敢に攻める》
確実にチャンスにつけたい距離。様々な状況はあるにしても、果敢にピンを狙って、イメージ通りのラインに打っていきたい。それが上達への道につながっていきます。
芹澤信雄のスイング。ショートアイアンのスイング
先ずは、アドレス時の「三角形」をキープしたままスイングをしましょう。ミドルアイアンがグリーンをとらえるクラブとすれば、ショートアイアンはピンを狙うクラブです。
ですから、フルショットする際の80%の力で打つことで、ボールをコントロールしましょう。
左右の足に6対4の体重配分で構え、左足内側を軸にしてレベルにスイングします。
アドレス時の両腕と肩のラインを結んでできる「三角形」がスイング中、体の正面に位置するように、体のターンと腕の振りを同調させながらクラブを振ります。
バックスイングとフォロースルーで、左右の腰の高さにクラブが達したときに腕のローテーションを正しく行うことで、ボールを狙った地点へ運べます。
方向性を出そうとフォロースルーで左ひじを後方へ引くのは厳禁です。
フォロースルーでもアドレス時の「三角形」が体の正面に位置していれば、フィニッシュではグリップエンドが地面を指し、クラブが立った状態のフィニッシュを迎えられます。
そのためにもコンパクトなスイングを心がけてください。
ショットラインに沿ってボールを運ぶ打ち方
「ライン出し」は左右対称のスイングです。
狙った地点へボールをストレートに打ち出す「ライン出し」ショットは、スイングプレーンに沿って左右対称でクラブを振るのがキーポイントです。
スイング軸を中心にして、体をターンさせます。
アドレス時の両腕で作る三角形を崩さないようにしてください。バックスイングでヘッドを振り上げたときと同じスピードでゆっくりと振り下ろし、ソールを滑らせながら振り抜けば十分です。
9番アイアンで50ヤードの距離を打つ練習から始め、80ヤード、100ヤードと距離を伸ばしながらライン出しショットの感覚を磨きましょう。
まっすぐに打ち出すためにスクエアインパクトを意識しすぎて、インパクト直前から左ひじを後方へ引き、左脇を空けてしまうのはだめです。
ダフりやトップなど様々なミスショットを誘発するので注意してください。
「ディボット跡」の脱出ショット
構え方次第で簡単に脱出できるディボット跡
写真のような、ディボット跡の入り口にボールがある場合、右足寄りにボールをセットし、上方からヘッドを振り下ろす左足体重の構えを作り、左手グリップを強めて鋭角的に振り下ろします。
その反対に、出口にボールがある場合は、フェースを被せて構え、バックスイングを真上に上げ、ヘッドでV字型を描くように鋭角的に振り下ろしましょう。
《ディボット跡の修復を忘れずに》
目土は砂を入れすぎず、平らにならしましょう。山盛りの目土は後続のプレーヤーに迷惑になりますからね。
「木がスタイミー」なのでインテンショナル
木が邪魔になり、上方へ打てない場合は、ショットを曲げて寄せるルートを探し出すことです。少し上級になりますがトライして下さい。
①:8Iでフックをかける。
ボールは右寄りにして下さい。右を向いてフェースは閉じて意識して手を返しましょう。
②:7Iで右にまっすぐ抜いていく。
ボールを右に置いて、まっすぐに狙いましょう。
③:6Iでスライスを打つ。
スライス回転で距離が出ないので、番手をあげましょう。ボールを上げないように、上からぶつけるイメージでスライスをかけます。
要は・・・左右どちらが広いかを見極めて、次打が打ちやすいエリアへボールを運びましょう。
グリーンまでの残り距離ではなく、ショットの曲げ具合、弾道の高低に応じたロフトのクラブを選択することがトラブル脱出の基本です。
芹澤信雄のスイング。アイアンの性能とスイングのまとめ
「ゴルフはミスをするスポーツ」ですよね。ですからミスをカバーできるクラブの性能を知ってその打ち方(スイング)を知ればスコアーは良くなるのです。
プロの試合でも林からの脱出やバンカーからの脱出シーンを良く見ますよね。また素晴らしくナイスショットをしたと思ったならディボットにすっぽりと入っていたりしたら大ショックですよね。
そんな時でも冷静にどうしたら脱出できるかを考えてスイングして下さい。ゴルフが楽しくなりますよ。

現役時代はNHKETVの外部契約として
中嶋常幸プロや藤田寛之プロ、今田竜二プロの男子ゴルフと
森口祐子の「女子プロに学べ」のゴルフ理論を番組化しました。
番組終了後は、ゴルフクラブ販売のライターと一緒に
独自取材でブログ運営しています。