芹澤信雄のスイング理論ではゴルフスイングにおける“ひじ”の動きを大切にしています。それは、スイングには上腕骨と橈骨、尺骨の3本の骨が関わっているからです。
人間の骨は人によって変わるわけではありません。全ての人が同じですよね。ですからヒジの動きも知っておくとレベルスイングを正しく理解することができます。
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芹澤信雄のスイング。スイングにおけるひじの動きとは
ひじの動きには屈曲と伸展、いわゆる曲げる、伸ばすというものがあって、これはクラブを上げ下ろしをする動作を司っています。
そこに撓骨(とうこつ)、尺骨(しゃこつ)の2本の骨の作用が加わって回外、回内という外側と内側にひねる動作ができます。ひじを固定しても腕はひねれるのです。
この動きはスイングにとって非常に大事です。なぜなら、これによってクラブの軌道、スイングプレーンを維持できるからです。どんなに太っている人でもひじの骨には触れます。
周りに筋肉がありませんから、使い方を誤るとダイレクトにひじを傷めることになります。
地面にあるボールを打つ時にダフる、もしくは極端にスイートスポットを外して打つケースが多いビギナーは、皆さんが考える以上にひじにダメージを受けています。
現に傷めてしまっている人もとても多いです。ではどのようにしたらひじを傷めずにゴルフが楽しめるのでしょうか?
まず基本となるのは、アドレスしたときの状態です。
芹澤信雄のスイング。ゴルフスイングの基本アドレス
このときにひじを伸ばしてはいけません。なぜなら、何もしない状態で、すでにひじは伸ばされているからです。伸ばされている状態にあるわけですから、それ以上伸ばす必要はありません。
伸ばすと過伸展(ひじを伸ばしすぎること)になり、その状態でスイングするほうが、よほどひじを壊す原因になります。ひじは伸ばされている状態がマックスに伸びた状態であることを知っておきましょう。
芹澤信雄のスイング。テークバック
テークバックでは右ひじを屈曲しながら、右手が回外動作(親指が外側に行く)、左手が回内動作(親指が内側に行く)をします。
その後、
芹澤信雄のスイング。トップ
トップに向かって徐々にひじに角度が作られていき、ダウンスウィング以降では、同じようなタイミングで徐々に右ひじが伸ばされながらもとの位置に戻ります。
芹澤信雄のスイング。インパクト
インパクト以降では逆に左ひじがテークバック時の右ひじと同じように動きます。これがナチュラルなひじの使い方です。インパクトで腕が詰まったり、ひじが抜けたりする人は左前腕部の回外動作がうまくできていません。
ひじを傷める人は、ひじの屈曲、特に右ひじの屈曲をトップで保ったまま、これを保持しすぎてインパクトを迎えるケースが多いようです。
ひじが窮屈な状態でインパクトを迎えるため腕の力が出づらくなります。ひじの角度については、90度で一番力が出る人がいれば100度で出る人もいるように、人によって違います。
ただ、少なくともひじが曲がっていると、クラブを振る上では力が出しづらい状態になります。ましてダフったり、スイートスポットを外したりすれば、その衝撃が骨を襲うことになります。
とはいえ、スイングでは腕を伸ばす意識はいりません。すでにお話したように、ひじは伸ばすものではなく、伸ばされるものです。
意識して伸ばすことにより不要な力が入ります。「力んでますね」と言われるのはそのためで、ひじを曲げるのとは逆の動きで、力が出づらい状態を作ってしまっています。
腕は遠心力と重力によって伸ばされます。
そのとき必要以上にグリッププレッシャーが強かったり、ひじを屈曲するときに使う上腕二頭筋が過剰に反応すると、自然に伸ばされるタイミングで伸びなくなります。
芹澤信雄のスイング。基本を押さえてレベルスイング。
レベルスイングをマスターするために、グリップの握り方からアドレスの取り方をはじめ、スイング軸や体重移動そしてスイングの各ポジションでの正しい動作を解説します。
もし、あなたのスイング常識と異なるなら、目からウロコが落ちるに違いありません。まず、ゴルフを始める初心者の第一ステップはグリップです。ゴルフはクラブと言う道具でボールを当てるスポーツです。
ですからクラブを握らないとボールを当てることはできません。ですのでクラブの握り方が大変重要になります。自分の好みに合わせて選択して下さい。
芹澤信雄のスイング。グリップは人それぞれ。
アドレスした際、両肩ラインとグリップ位置を結んでできる「三角形」この三角形の形を崩さずにスイングすることでスイングプレーン(アドレス時のシャフトを基軸にした円弧)に沿ってクラブを振ることができます。
いわゆるオンプレーンスイングが可能になるのです。オンプレーンスイングさえできれば、グリップはどんな握り方でも構いません。
但し、右手の人差し指と親指との間にできるVが右肩を指すという条件つきです。なぜなら、それがスムーズなバックスイングをそしてオンプレーンスイングを導いてくれるからです。
それと、グリップで良く質問を受けるのは握り方の強さです。
芹澤信雄のスイング。グリップの握り方の強弱
グリッププレッシャーですが、小鳥を握る強さとかソフトな感じの表現を使いますが要はクラブを引っ張れても抜けない程度が理想ですね。
さてグリップはもちろん両手でできるのですが、ここでは左手の握り方の種類を紹介しましょう。自分のグリップを知ることで自分のゴルフスタイルが解りますので確認してください。
芹澤信雄のスイング。グリップの種類
スタンダードグリップ
手を自然体で下げて握ると、左手のナックル(指関節)は2個ほど見える状態です。これがスタンダードグリップです。
ストロンググリップ
ナックルが4個くらい見えるのはストロンググリップです。このグリップではダウンスイングからインパクトにかけてフェース面が左方向に向いてしまうため、フックボールが出やすくなります。
ウイークグリップ
ウイークグリップ(ナックルがほとんど見えないグリップ)は、フェース面をスクエアに合わせた場合、ダウンスイングでフェース面は左に出る球筋になります。
インパクトはアドレスの再現と言われるように、どんなグリップでもアドレスした時のフェース面に戻ってくることが大事です。
グリップはクラブと体をつなぐ唯一の接点です。自分がどんなグリップで握っているのかをチェックしてください。
芹澤信雄のスイング。レベルスイングの基礎のまとめ
スイングには筋肉が大切です。回外は回外筋、回内は回内筋。撓骨と尺骨をつないでいる2つの筋肉が重要です。これらをスムーズに使うには、ひじの屈曲、伸展と回外、回内動作をすることです。
わかりやすいのは、手のひらの向きを意識することです。
たとえばテークバックでクラブを真っすぐ引くと、回外、回内動作が省かれてスイングに滑らかさがなくなります。ひねる動作はトルク。曲げる動作はしなり。トルクがないと球がつかまらないし、飛びません。
腕をシャフトと考えれば肩の回旋動作も前腕部の回外、回内動作も絶対に必要です。前腕のトルク力を高める必要があるわけですが、クラブを真っすぐ上げた時点でトルクは生じません。
スウィング中に三角形は2つあります。両肩と両腕でできる大きな三角形と、両腕のひじから先でできる小さな三角形です。
大きな三角形はヘッドが左右45度の角度を過ぎたら崩れます。でも小さなほうは体の向きが変わっても維持されます。
これがひじを正しく使えたことになります。
それと半年に一回くらいは自己流にならないために職場や自宅の近くにあるあなたのコーチから指導を受けて下さい。自己流が上達を妨げますからね。
ではゴルフライフを楽しんで下さい。