今や多くのプロゴルファーがクラブにもやさしさを求める時代の流れになっていると思います。
ブリヂストンゴルフもツアーステージブランドを終了させました。
米国での商標である「BRIDGSTONEGOLF」への原点回帰をなし、2016年に当時苦しい時期を過ごしていたタイガーウッズとボール契約をしました。
その後のタイガーウッズの活躍とともに「TOUR Bボール」の評価を不動のものとしました。
ブライソン・デシャンボーのエースボールにもなっているブリヂストンゴルフのボールです。
いまやボールメーカーの感が強いですが、2020年は「ツアーB X」シリーズの新製品を発売しました。
今回の新作の開発コンセプトは、ブリヂストンのプロ・アスリート向けの伝統である操作性に加えて、
現在各社のトップモデルのトレンドである低スピン弾道で飛距離を稼ぐ機能も盛り込んだところにあります。
ブリヂストンゴルフクラブ「ツアーBX」ドライバーの特徴と評価
ブリジストン伝統の、日本人好みの丸顔ヘッドでトップラインがスクエアなのでターゲットに向けて構えやすくなっています。
ブリヂストンゴルフクラブ「ツアーBX」ドライバーの特徴
ボディはカーボンとチタンのコンポジット構造による余剰重量の効果的な配分を実現した「ツアーBXドライバー」です。
クラウン部分のカーボンもギターの弦のように横に筋金ではなく「ハニカムストリング」と名付けられたハニカム構造にすることによって、
たわみを飛球線方向に増やし、トウヒール方向には抑制することでパワーロスを低減しています。
前作でも搭載したクラウン内部のフェース側トウヒール方向に3本入った「パワースリット」と呼ばれるスリットが、ハニカムストリングの適度なたわみをコントロールしています。
前作JGRに搭載された、「SP-COR」サスペンションコアと呼ぶソール側のフェース下部に埋め込まれてフェースの1点を、
裏側から支えるバーによって高初速エリアが拡がり、芯が大きくなってある程度のミスヒットも飛距離ロスを低減する機能も今回は採用しました。
フェース面に目を向けるとフェースに刻まれた溝の間にさらにミーリング加工をほどこし、さらに3本に1本を深く粗いミーリングにすることでボールの滑りを抑えて適度なスピン量をもたらします。
ヘッド後方には5か所のウェイトポートを設置して重心距離の調整も可能となっています。
ヘッド体積は幅広いゴルファーを想定した460CCとして、ロフト、ライ角調整機能も搭載、ロースピン、強弾道を可能にしたドライバーです。
ロフト:9.5度/10.5度
長さ:45.25インチ
シャフト:TOUR AD TX3-5 シャフト(カーボン)
価格:75000円+税
ブリヂストンゴルフクラブ「ツアーBX」ドライバーの評価
ボールの衝突エネルギーをいかに無駄なく反発力にしてボールに伝えることに特化したイメージです。
ですが、ブリヂストンはソールを硬く、クラウンをたわませることと、無駄なスピンを減らすことで飛距離を出そうという意図がうかがえます。
多くの評価がコントロールのしやすさと、芯を外してもブレが少ないということに集まっています。
クラブのコントロール性は残しながらもヘッド自体は素直な特性を持っていますので、シャフト選択によってはレベルを問わず使えるドライバーになっています。
ただ、スライスをドローに変えてくれるというクラブではなく、振ったなりに飛ぶクラブですので、シャフトが重要なファクターになると思います。
ブリヂストンゴルフクラブ「ツアーB」シリーズアイアンの特徴と評価
今回のツアーBアイアンは3タイプの発売です。
- ツアーB「200MBアイアン」
- ツアーB「201CBアイアン」
- ツアーB「202CBPアイアン」
マッスルバックで数量限定のツアーB「200MBアイアン」、
フォージドキャビティのツアーB「201CBアイアン」、
そしてポケットキャビティのツアーB「202CBPアイアン」の3タイプになります。
3機種すべてに共通するのは「番手ごとの設定」です。
ブリヂストンゴルフクラブツアーB「200MBアイアン」 の特徴と評価
いわゆる「BS顔」のマッスルバック形状ブリヂストンゴルフクラブツアーB「200MBアイアン」は古くからのブリヂストンファンには懐かしいと思います。
ネック回りが太目でトウとの高低差が緩やかですので、つかまりの良さはあまり感じさせませんが、その分、左を気にせず振って行ける安心感はあります。
番手ごとに重心位置を設定してロングアイアンはつかまりを、ミドル、ショートアイアンはつかまり過ぎない設定にしています。
しっかりと球筋を作ってゆけるゴルファーが高い満足感を得られるアイアンです。
ブリヂストンゴルフクラブツアーB「201CBアイアン」の特徴と評価
ブリヂストンゴルフクラブツアーB「201CBアイアン」です。
こちらはトウ側が丸みをおびたキャビティバックアイアンです。
適度につかまりの良さを感じさせるヘッド形状は番手ごとにキャビティ部の厚みとブレード側の肉厚を変えて重心位置を調整しています。
その結果、ロングアイアンでは安定した飛びと、ショートアイアンでは操作性を重視した設計になっています。
またソール形状にも手を入れて、ヒールからセンターまではヘッドを入れやすく、センターからトウは当たり負けを防ぎつつ抜けの良さをもたらす設計にしてあります。
また、今作からフェースの溝のピッチを、4番から6番までは3.5ミリ幅、
7番から9番、PWは3.48ミリへと変更しており、
全番手で低ヘッドスピードでも安定したスピン量が得られるようになっています。
こちらは初級者からもつっかからずに振りぬける、方向性が良いといった評価を受け、幅広いゴルファーが使用できるアイアンになっています。
ブリヂストンゴルフクラブツアーB「202CBPアイアン」の特徴と評価
バックフェースのトウ側にたてに設置されたパワースタビライザーが目を引くツアーB「202CBPアイアン」です。
ミスヒットでも打感を向上させることに主眼を置いた設計の、ポケットキャビティアイアンです。
パワースタビライザーはトウ側の剛性を高めることでミスヒット時の手に残る余分な振動を抑制する効果があり、打感の向上が望めます。
また、ポケットキャビティ部をフェース裏側ほぼ全周に施したことで有効打点面積が拡がりやさしくなりました。
軟鉄鍛造なみの柔らかい打感とトランポリン効果で飛距離も出る効果があります。
アスリート顔のアイアンながらやさしく飛ばせる、ピンを狙えるアイアンが欲しいゴルファーなら少しの練習でも打てる、許容範囲が高いアイアンです。
まとめ。
今ではメジャーになったカーボン複合素材のドライバーも、ブリヂストンは早くから製品化してきており、技術力の高さには定評があります。
しかしながら、アイアンではMR23、HM55、MTNⅢ、NB32など契約プロゴルファーの名前を冠したそのプロオリジナルスペックのアイアンを市販化して販売していました。
その結果、アマチュアゴルファーに主眼をおかなく「ブリヂストンは難しい」という評価が定着してしまいました。
外資系や国内新興勢力にシェアを奪われてきたブリヂストンが、ようやくアマチュアのニーズに向き合い、「プロでも使えるやさしさ」を製品化してきたものが「ツアーBシリーズ」です。
ツアーBシリーズの2世代目は飛距離性能も方向性も評価は良いようです。
各社新製品を投入してしのぎを削る2020年にどこまで巻き返せるのか注目していきたいです。
現役時代はNHKETVの外部契約として
中嶋常幸プロや藤田寛之プロ、今田竜二プロの男子ゴルフと
森口祐子の「女子プロに学べ」のゴルフ理論を番組化しました。
番組終了後は、ゴルフクラブ販売のライターと一緒に
独自取材でブログ運営しています。